たかんな
俳句会
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今月の主宰の一句
裏木戸の少し開けある安吾寺
千嘉子
たかんな俳句会
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竹の風句会 通信句会 月一回
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参加申し込みはたかんな俳句会
0178-24-3457まで
はちえきキャンバス
知新句会 第一木曜日
初めての俳句 第三木曜日
チャレンジ俳句第一,三金曜
俳句入門教室 第一金曜
詳細ははちえきキャンバス
八戸市十八日町46
0178-46-3025まで
たかんなZOOM句会
について
先日俳句誌、俳句界でのZOOM句会が行われました。
今回の講師は吉田主宰とのことで・・・
ZOOMは出来るかしら?との主宰に佐藤霜魚、星私虎亮のたかんなITチームが完全協力
無事全国の皆さんとZOOM句会を終えることができました。
こんなに便利ならと夏雲システムを利用してたかんなZOOM句会をと先日第一回たかんなZOOM句会を開催しております。
スマホがあれば会員であれば誰でも参加できます。
詳細は主宰、星私虎亮までよろしくお願いします。
最新情報
たかんなzoom句会開催しております。
日程は月の後半に次月の日程を発表します。
普段とは違うスマホやパソコンがあれば家からでも車からでも会員であれば参加できます。
主宰が講話と提出句の選と添削を行います。
問い合わせは
世話人の星私虎亮さん、
吉田主宰まで
各地俳句大会
第54回青森県俳句懇話会
十和田大会
令和8年7月26日(日)午前10時
締切6月25日 「打水」「夏季雑詠」
俳人協会東北大会
令和8年10月24日(土)
藤木倶子の一句
~六 月~
白南風やこきと音たて烏賊刺身
倶子
句集「火を蔵す」 平成九年作
重苦しい梅雨空が一掃されて、本格的な明るい夏を告げる爽やかな白南風。掲句からは、夏を迎えた港町ならではの大らかな生活感、そして高揚感が描かれています。烏賊は八戸を代表する水産物。海の恵みの〆たばかりの烏賊の、活きのよい硬い切り身、特にえんぺらのこきこきとした歯ざわりを想像しました。
白南風と烏賊の刺身の取り合わせが新鮮で面白く、贅沢感さえ感じます。
髙村龍彦
現代俳句の四季
各誌令和8年4月号より
吉田千嘉子
睡蓮にあはせてゆるる水面かな
高橋 将夫
俳壇「巻頭作品10句」より
日中に開花、夜には閉じることからこの名があり、クロードモネの絵で知られる睡蓮。水上に咲く姿は可憐で美しい。水鳥の鷭がよくそばにいるが、その時を詠んだのだろうか。または、水上を強風が吹いていたのかも知れない。睡蓮が揺れると水も一緒に揺れる。水面が睡蓮の動きに合わせて揺れているのだ、とする擬人化が優しい。
雛の日の滅むらさきの鳩の羽
藤田 直子
俳壇「巻頭作品10句」より
「滅(けし)紫色」という色を今回初めて知った。グレーを混ぜて彩度を落した渋い紫であり、鳩の羽に確かにある。この色に雛の日を季語として合わせたところに並々ならぬ美意識を感じる。お雛様は天皇と皇后の結婚の様子を模していて、高貴な御方しか使用できなかった紫がよく使われる。この格式の高い滅紫色を鳩が持っているとは、中々の鳥である。
囀や玉子で満たすフライパン
山口 昭男
俳壇「巻頭作品10句」より
春の気持ちの良い朝、囀を聞きながらスクランブルエッグを作っている光景を想像する。今はテフロン加工など焦げのつかないフライパンがほとんどなので、卵料理も気持ちよく出来る。玉子で満たされても少しも困ることはなく、くるくるとまとまってゆくのは爽快。ふんわりと美味しく出来上がったことだろう。
耕人に持して島山翳りなき
波戸岡 旭
俳壇「俳句と随想十二か月」より
調べの良い品格のある句である。島山というと利尻島などを思い起こすが、「しま山100選」というものを見ると、日本はつくづく島国なのだと思う。それぞれの島では島人が耕しをして暮らす。「若い人は皆島を出てしまって」などと言っているのかもしれない。それでも島の自然と向き合いながらひたむきに暮らす人たちの姿が見え、それを見守る翳りのない島山がある。
あぢさゐの雫に地球ひとつづつ
木暮陶句郎
俳句四季「今月のハイライト」より
あぢさゐは雨が好きである。梅雨の時期に雨雫を纏って生き生きとしているのを見ると、こんなに雨と相性の良い花はないと感心する。そして、その雨雫はレンズとなって周囲を映す。その雫の一粒ずつに地球が映るという、作者のロマンある把握に惹かれる。紫陽花が抱える雫の中の地球は、ことさらに青く美しいことだろう。
白梅をまぶしみ沖をまぶしめり
清水 和代
俳句四季「作品16句」より
「梅日和」という連作一六句の中の一句。梅と縁の深い天神さんでの句など、紅梅よりも少し遅れて咲く白梅が多く詠まれている。掲句は遠く海の見える所での一句である。白梅と沖の取り合せが良く、空間に清らかな広がりを感じる。春の明るい陽射しが伺える「まぶしむ」のリフレインも利いていて、心地よい。
猫の子を見遣る庭師の一休み
湯浅 淳子
俳句四季「わたしの歳時記・子猫」より
庭師の視線から子猫を詠んでいて、新鮮。この庭師が猫好きなこと、子猫の仕草が愛らしいことなどが想像される。気を張り詰めながら、危険が伴う高所での作業を行う庭師の仕事。そのひと休みの時間に子猫の無邪気さを見て大いに心が癒されたことは間違いない。
あれば何かが映り春の風
池田 澄子
俳句「巻頭作品50句」より
澄んでいれば水は当然何かを映す。という至極当たり前のことを詠まれているのだが、果たしてそれを当たり前と決めつけて良いものか、と考えさせられる一句である。水だけではなく周囲のことなど、固定観念に我々は囚われてはいないだろうか。春の風は強さを増し、水に映るものを消し去ってゆく。
いましがたまで母とゐし春の夢
今瀬 剛一
俳句「作品21句」より
夢というのは計り知れないものであるが、作者は母上と一緒という、この上ないものを見られた。「いましがたまで」という措辞からは、母と子として過ごした日常のひとこまを味わったことが想像される。朧のような春の、母との久しぶりの時間は文字通り夢のようであったことだろう。
家棄つるため渡り切る雪解川
森岡 正作
俳句「『鮎の川』自選20句抄」より
他郷に長く暮らし、ふと我が人生を振り返った時に、「故郷を、家を捨てた」と思う人は多い。決してそんなに単純なものではなく、故郷に受け皿がなかったり、やりたいことが叶えられる地へと移動したりということなのだが…。家を出たのが春、まだ雪解川が水嵩を増していたころだったのだろう。「棄つるため渡り切る」が何とも切ない。
ポプラの木縄跳の子が休みに来
辻村 栗栖
俳句「第16回石田波郷新人賞受賞作品」より
北海道に多いポプラ並木。すらりとした姿の良い高木は遠くからでもよく分かる。ひと休みをしにやって来た縄跳びの子をポプラの大きな木影が包む。葉を鳴らす風も吹いて来て心地よいことこの上ない。伸び伸びとした一句。
月刊俳句誌たかんな6月号より抜粋
巻頭作家のページ
ラガーらの蒸気機関のごと走り
片山静子
数あるスポーツの中でも、ラグビーほど勇猛なものはないだろう。力で押すスクラムや烈しいタックル、そして百キロ級の選手がもの凄いスピードでコートを走る様は、まさに作者の言う蒸気機関である。走る一瞬を捉え、ずばりと的を得た比喩に圧倒された。
(吉田千嘉子)
片山 静子
略 歴
昭和二四年 福岡県田川郡に生れる
平成二九年「たかんな」入会
令和四年「たかんな」 同人
この度は巻頭をいただきありがとうございました。
福岡県の宗像市に宿泊施設を備えたラグビーのグランドがあってお正月の三が日にも、花園に行きそこなった高校のラグビー部が全国から集まって練習や試合をして
います。寒い中体格の良い子たちが汗びっしょりになって湯気をたてそうに走り回っている様子はまるで蒸気機関車です。 そんな時若いっていうことはなんと素晴らし
いことなんだろうと思わず見惚れてしまいます。
私は生まれも育ちも北九州の人間ですが二度ほど訪れた八戸が大好きで八戸のたかんなにご縁を繋げて下さった主宰に感謝しています。これからもどうぞよろしくお
願い申し上げます。
竹の韻きⅠ
竹の韻きⅠ
ー竹籟集(四月号)よりー
野村 英利
大釜に寒九の水を足しにけり
難波 政子
寒九の水とは、二十四節気の「小寒」から始まる寒の内に入ってから九日目に汲む水のこと。昔からこの日に汲んだ水は特に清らかで腐りにくく、「薬になる水」と言い伝えれてきた。作者はこの縁起の良い水をたっぷりと汲みおいたのである。それも「大釜に」と言う措辞によって「今年も元気に楽しく」という心意気が感じられ嬉しくなった。
青空の眩しすぎるや冬桜
河角 京子
一般的に「冬桜」と呼ばれるのは、晩秋から冬、そして早春にかけて二度花を咲かせる桜の総称。実は私の住む近所の「いちょう公園」にも百本ほどある。ソメイヨシノのような一斉満開とは違い、寒空の下で控え目に咲く姿が訪れる人々に感動を与えてくれる。「青空が眩しすぎる」の 素朴な表現に、作者の優しい心情が溢れている。
小豆粥ゆるり時打つ古時計
小野寺和子
小豆粥を冬至に食べることは、厄を払い健康を祈る意味が込められているという。子どもの頃、冬至には母が台所に立って時間を掛けて小豆粥をコトコトと炊いていたことを思いだした。作者も今、家族の幸せと健康を祈り粥を作っているのである。折しも古い大きな掛け時計が時を打つ。古き良き時代を彷彿させてくれる見事な一句となった。
連結の貨車の音する霜夜かな
黒田 長子
私も深夜早朝、静かな町の向こうから届いてくる連結列車の音の聞く度に、「何処から来たのか」、「何処へ行くのか」と思い浮かべるのが常である。まして掲句は、少しの寂しさや郷愁を含んだ時の流れを感じさせる響きに加え、「霜夜」という冬の季語を用いて、何ものにも代えがたい大きな詩情を生み出している。
寒波急どたばた決まる衆院選
畑内 節子
掲句はいわゆる、その時々の社会情勢や出来事、世相などを題材にした「時事俳句」。この種の俳句は、「時事」を全面に出すと、「その年ならではの説明」「時間経過で意味不明に」などという難しさがあるため敬遠されがちとなる。しかし、今回の第五一回衆院選は正しくドタバタ。作者は季語に「寒波急」を用いた。思わず納得し拍手喝采。
産み立てのまだ温かき寒卵
増島由起子
寒卵は、二十四節気の「大寒」を中心とした一年で最も寒い時期に産まれた鶏卵のこと。寒中に産まれる卵は数が少なく貴重で、昔から栄養価が高く保存性も良いと考えら
れ、無病息災や金運上昇を願う縁起物として食べられてきた。作者は温みの残る寒卵を手に、この卵がいかに美味しく貴重なものかを読者に明瞭に示してくれている。
風花はカムイの放つ散華とも
大内 鉄幹
カムイは、アイヌ語で「神的な存在」「霊的な力をもつ存在」を意味する。私はこれま「風花」を季題とする俳句を多く読み、自分も詠んできたが、類想的な句が多いなかで、掲句の「カムイの放つ散華」の措辞には身震いするほどの感動を受けた。確かに風花は、他の降る雪とは違い「神の散華」も過言ではない美しさを持つ。
注連残る京の町家の軒深き
宝 美佐子
作者の今月号の竹籟集Ⅱ六句は、京都の正月の風情を詠んだもの。京町屋の正月といえば、細い路地に並ぶ玄関のしつらえが見どころ。関西では松の内を一月一五日頃までとする風習があり、その間、町屋の軒先には門松や注連縄、餅花などを飾る。作者は、この京の町屋が持つ正月の空気感や静かで華やかな魅力を一七文字で見事に表現してくれ
た。
飾るなら一輪でよし寒椿
髙村 龍彦
昔、華道の先生から一輪の椿を飾るには、飾り方を少しだけ工夫することで「和の雰囲気が一段と引き立つ」と教わったことを思いだした。花器・茎切る目安・花の向き等
々今は殆ど忘れたが、覚えているのは「椿は少しうつむき加減に活けると椿の静けさが出る」事くらい。一方ここに活けきった椿を満足そうに眺めている作者の顔が浮かぶ。
雪吊や庭木あんどの深眠り
小笠 龍雄
雪吊は、豪雪地帯の庭木を守るためには不可欠なもの。作者は、「たかんな」吟行句会の前会長職。この日も冬を間近に控えた、いつも世話になっている庭園を訪れたのであるが、早々と庭木に雪吊が施された静かな庭の姿を見て「庭木は安心して眠りに入っている」と見たのである。作者の安堵感とともに、木々に対する愛情あふれる一句。
竹籟集(5月号)より
翠竹抄鑑賞
吉田千嘉子
花冷の芯までとほる小糠雨
宮本征子
桜が満開となり近隣や街中を埋めてから肌寒い日がやって来る。この花冷えはとても趣のある季語。そして「芯までとほる」が眼目で、掲句は更に一歩進んだ心情を映し出す。花冷えに小糠雨が加わり、桜や人を芯まで冷えさせる。冷え切って詩情は更に深まりを増す。
春眠を貪り尽す若さかな
藤木和子
同時句を読むと、この句の主人公は作者の甥子さんであるようだ。若いうちはいくらでも眠れるものだが、「春眠を貪り尽す」がそれをよく言い得ている。若さというものを、実に端的に五七五で表して豪快な一句である。
降り注ぐ菜の花明り海までも
佐藤 篤
菜の花の、どちらかと言えば淡い黄色が一面に咲くと、圧倒的な明るさとなる。それを「降り注ぐ」と言い、「海までも」と抑えた。余情溢れる世界である。
けぶる空杉山揺する春嵐
五十嵐礼子
杉花粉という人間界の負の風物詩を春嵐を季語に詠んでいる。花粉で煙った空の下、鬱蒼とした杉林が嵐に揺れている。花粉症患者でなくとも穏やかならぬ光景である。
図書室の頁繰る音春の雪
佐藤手織
しんとした図書室に頁を繰る音が微かに聞こえ、ふと外を見ると春の雪が…。聴覚と視覚の静かな競演。
亡き人の逸話が供養春の宵
山田あや女
法事の時などによく聞く話である。かつて一緒に過ごした時間の反芻は確かに良き供養となるだろう。
最果てや黄水仙みな海を向き
中島英雄
黄水仙は海が好きなようだ。最果ての地は稚内あたりだろうか。「みな海を向き」にロマンと余情がある。
風見鶏春風についよそ見して
中澤玲子
いつも風向きを教えてくれる風見鶏が、春風の気持ちの良さによそ見をした。春らしい明るく楽しい句である。
進退を自身に問へば月おぼろ
村田充子
進退を自分に問うことは、人生に幾度か経験することかと思う。「月おぼろ」の季語が優しい。
黄水仙蕾すつくり立ちにけり
片山静子
立ち姿の良さは水仙の一番の特徴であり美点でもある。幼い蕾もすっくりとその後を追う。
春や春二度寝の床に鳥の声
川越 研
「春や春」の上五が春になった嬉しさを伝える。二度寝を鳥の声に起こされるとは極楽と言えよう。
淡雪やほのと明るむ城下町
川口けいこ
淡雪を被りほんのりと明るんだ町が美しい。下五を「城下町」で収めて格が加わった。
春泥に気に入られたるスニーカー
今田明男
泥まみれになってしまったスニーカーを、逆に「気に入られた」と詠んで前向き。俳諧味がある。
幸せの色を集めて雛あられ
松倉妙子
雛あられのピンク、黄、白、黄緑はとても綺麗な彩りである。幸せの色という捉え方が秀逸。
あさつきの芽出し一寸掘り起こす 髙田栄子
一寸で掘るとは山菜名人の作者ならでは。酢味噌和えなどで食べるのだろう。「芽出し一寸」が効いている。
海風を負ふお社や忘れ霜 河村仁美
航海の安全を祈る神様なのだろう。「忘れ霜」が良い。
しつらへは春や菓子舗の飾り窓 小笠原イク子
和菓子屋の設えには季節感が溢れている。
初雷を呼ぶ犬の声鳥の声 星私虎亮
犬や鳥の声が初雷を呼ぶという発想が面白い。
駅員に最後の会釈卒業す 對馬のり子
電車通学も今日で終わり。「最後の会釈」にジンと来る。
春暁や朝市に始まる暮らし 田中たつを
「朝市に始まる暮らし」が健全。まずは早起きから。
歯ブラシを残し末つ子進学す 八幡ひで子
進学した末っ子への思い。歯ブラシが良い働きを…。
ふと気づく庭の日差しに土筆かな 鴨川明子
幼いころに摘んだ土筆を思い出した作者。
物憂さをときほぐしたる蝶の舞 蛯名文子
ゆるやかな蝶の舞には物憂さをほぐす力がある。
添削の現場より 吉田千嘉子
原句
遠青嶺刈られて匂ふ牧の草
遠くに青嶺が見える気持ちの良い情景です。この句の問題は「刈られて匂ふ牧の草」です。青嶺の他に、「草刈る」という季語が入っています。ただ、「草」と「刈る」が離れていて季語の良い使い方とは言えませんが。初心のうちは季語は一つと心得ましょう。添削の一は、遠青嶺を季語にして、二は草刈るを季語にしてみました。
添削句一
遠青嶺風に匂へる牧の草
添削句二
牧の草刈つて匂へる山日和
原句
夏近し優しさときに裏返る
人情の機微を詠んでいます。こういう抽象的な題材を詠む時には季語が重要。抽象には具象で行きす。「夏近し」も具体性はありません。掲句のように温度の低い内容には植物が良い働きをします。夏の植物にも色々ありますが、紫陽花、向日葵、百合ときて、あまり主張が強くなく、優しい「野路すみれ」などはどうでしょう?
添削句
野路すみれ優しさときに裏返る
原句
こここに鳥の声あり夏帽子
「そこここに鳥の声あり」というと、地面に近い鶏の声を思い浮かべます。季語が夏帽子ですので、聞こえる鳥声は上方からが良いですね。「そこここ」を「四方」に、「鳥の声あり」を、「鳥の声降る」としましょう。夏帽子上から降ってくる鳥声の賑やかさが感じられます。
添削句
四方より鳥の声降る夏帽子
原句
寄せ植えのパンジーこちら見詰めくる
パンジーの花は何だか猫の顔のようにも見えます。そこから「見詰めくる」という言葉が浮かんだのでしょう。「たかんな」では文語表記を使っていますので、「寄せ植え」は「寄せ植ゑ」となります。また「こちら」は散文的ですので「吾を」としましょう。
添削句
寄せ植ゑのパンジー吾を見詰めくる
原句
桜東風道行く先や咲き競う
三段切れ、「競う」を文語に、などいくつか直す点はありますが、大事なのは「桜東風」。この意味は桜が咲くころに吹く東風のことを言います。そこに桜があるわけではないことを承知してください。梅東風、雲雀東風などもそうです。掲句の解釈は違っていますね。「咲き競う」のであれば、添削一のようにきちんと桜を季語にしましょう。また、更に用言を削ったのが添削二です。
添削句一
咲き競ふ道行く先の里桜
添削句二
らんまんや道行く先の里桜
「えんぶり」に憧れて
根本文子(翡翠・芭蕉会議)
二月十六日私達は谷地快一先生(海紅。東洋大学名誉教授)御夫妻、大学院ゼミで御一緒した村上智子さん(エール)、根本文子(梨花)
の四人で待望の八戸に向かった。村上と根本は、先生が主宰で今年二十周年を迎える句会「芭蕉会議」の幹事でもある。
この旅は俳誌『たかんな』の吉田千嘉子先生のお誘いによる。谷地先生と千嘉子先生は、実は高校の同窓で、東京の浜離宮庭園での吟行句会
にご一緒した過去もある。
ホテルに集合した私達は近くのお店で千嘉子先生方々に温かいお迎えを頂き、自己紹介や懇親会の後、明日は六時半に車でお迎えに行きます
と伺い、その早さに緊張する。
十七日、まだ雪の残る「長者山新羅神社」に登る。夜通しで奉納の順番を競う人々が暖をとった大きな木の根がまだ火を残している。神社
の傍で行列を待つ。やがて笛や太鼓、鉦の音と共に一番の旗が近づき、華やかな烏帽子が踊りながら登って来る。胸がときめく瞬間である。
この踊りを「摺り」というと千嘉子先生が教えて下さる。神前に到着すると、また一段と力強く重い烏帽子を振りかざし、深々とひれ伏して踊
る。八〇〇年の昔から、豊作と大漁を願う人々の祈りの所作に感動する。
田の神を起こすとはかくにぎやかに 海紅
榾は燠に一番札の朳衆 千嘉子
兄姉を横目に踊るえぶり稚児 多加雄
親方は朳の合間牛の世話 霜魚
豊作願ふ朳烏帽子や平伏して 梨花
小さき手の豊年すだれ春隣 エール
ゴロゴロ石の急な男坂を下り、三〇余りのグループが踊る「一斉摺り」をみる。この日は学校も休みとのことで、大勢が街路にひしめいて
いる。その出し物も愛らしい子供や若者が中心の祝福芸である。三歳から九十歳までが参加していると聞くが、踊る人と見る人の距離が近く、
町中が一体となって、共に湧き上がり楽しむお祭りである。
幼子が大人や兄弟の踊りを見ながら、身振り手振りで真剣に踊る姿は何とも微笑ましく、みんなが笑顔になる。
こうした包容力のある、参加型の祭りのあり方が皆に好かれ、震災もコロナも乗り越えて来たにちがいない。
摺るといふやさしき仕草えぶり衆 海紅
長台詞ものともせずに朳稚児 霜魚
お化粧の甘き匂ひのえぶりの子 梨花
令和8年「たかんな」新年紙上俳句大会
結果のみ掲載
一句高得点順位
1位
梯子乗拍手の渦へ身を放ち
佐藤霜魚
2位
次の鐘打つ間の余響淑気満つ
畑内節子
3位
塩町の手締めの揃ふ初荷かな
野村英利
4位
初日の出太平洋を借り申す
村田加寿子
5位
抱かれし稚児も賀客のひとりなり
岩本律子
6位
初鶏の次の声出す身の構へ
黒田長子
7位
床の間の松活け直す七日かな
春日しげ子
8位
石鹸の白さまぶしき初湯かな
川口けい子
9位
海鳴りやいよいよ猛るどんどの火
高村龍彦
10位
「気」のはねに老いの気概や筆始
小笠原 イク子
二句総合得点順位
一位 佐藤霜魚
一位 畑内節子
三位 中澤玲子
四位 野村英利
五位 川口けい子
たかんな鍛錬句会
去る10月1.2日の両日、岩手県遠野市に於いてたかんな鍛錬句会が行われました。
photo by Takao Iwamura
Products by madaisama
俳誌協会編集賞受賞
栄えある編集賞を受賞しました。
これもひとえに皆様方のご協力の賜物です。編集部一同で東京での祝賀会に参加してきました。
「令和7年たかんな鍛錬会特集 」
遠野鍛錬会感想記 1日目
八 木 仁
令和七年九月二十六日、遠野の「風の丘」に総勢25名が集結して、鍛錬会がスタートした。バスで最初に向かったのは清心尼墓。丘の中腹にひっそりと素朴なお墓が建っていて周りを梅もどきの赤い花が護っていました。
そしてバスは伝承園へ。曲り屋、おしらさまの部屋等真に遠野物語の世界です。
その後宿舎の「たかむら水光園」にチェックインして、語り部による民話の昔語りがありました。民話って、どこか哀しげで怪しげで恐ろしげな話ばかりです。
その後、たかんな総会、たかんな賞&竹笛賞の表彰があり、同人会の総会も無事終了し、
一回目の句会が催されました。一人3句づつ提出の全75句の内、最高得点句は吉田主宰のおしらさまを詠んだ作品でした。
さて、その後はお待ちかねの夕食会。ご指名により不肖・私が乾杯の発声。宿舎心尽しの郷土料理を頂いた後は、懇親会として袋回し句会が実施されました。私は初めての経験でしたので、当初面喰い大変でした。兎に角スグ作句して次に回さなければならないので、こんな時に限って頭は真っ白何も浮かばず、
己の非力を思い知らされた次第です。
そうこうする内、英雄さんから「車が来ました」と告げられ二人で夜のドライブに出掛けました。十数年前彼はオートバイでこの辺を旅したことがあるそうで、その時訪ねた「荒神神社」がとっても良かったので一緒にどうですか?と誘われたのです。ところがこれが大変なドライブでそもそもタクシーの運転手さんが「こんな処に夜来るお客さんは誰も居ませんよ、第一熊は知りませんけど鹿や猪は出てきますからね」という滅多に経験出来ない大冒険だったのです。
深夜宿舎に戻り、英雄さんと私は、誰も居ない大風呂にゆっくりと浸かったのでした。
令和7年「たかんな」鍛錬会2日目
赤坂洋子
鍛錬会の2日目も初日に続き快晴の秋風吹く気持ちの良いお天気になりました。すっかり緊張のとれたメンバーは、朝から水光園の庭園の散策に出かけました。ホテルの庭には藁屋根の曲り家や土蔵があり、その周りには農具などが置かれて、見る者に懐かしさと発見をさせてくれました。
この日はバスで姥捨の地デンデラ野に向いました。この地では60歳になると老婆はデンデラ野に連れて行かれ、日中は村に降りて働き、夕方には「あがりの家」と言われる藁の家に戻りました。たかんなメンバーはあがりの家の囲炉裏にぐるりと座り、話に花が咲きました。あがりの家はグループホームのようなところでもあり、「悲しい場所だけど、意外と楽しかったのではないか」などと、呑気な話になり笑いの絶えない場となりました。その後、カッパ淵を散策して作句に励み、カッパ捕獲許可証を手にして私達はカッパ釣りに挑戦しま
した。一行はたかむろ水光園に戻り、昼食の後に第二回句会が行われました。句会では一句高得点者が鍛錬会実行委員長の野村英利さん、主宰の秀句には佐藤霜魚さん畑内節子さんの両名が選ばれました。その後私達は道の駅「遠野風の丘」で東京組の皆様と再会を約束して笑顔でお別れをしました。
帰路の車中では、たかんなの皆様の溌剌としたお茶目な会話が飛び交い、皆様が一層好きになりました。
令和七年「たかんな」鍛錬会俳句大会
九月二十六日 一回目
主宰特選句
おしら様の煤くる月日そぞろ寒 三野宮照枝
遠野は秋辻に河童の捜索書 野村英利
佳作
秋灯や目を剥き出してかまど神 髙田美津子
去り難き清心尼墓所萩の花 中村静江
そよ風をいなせば薄金銀に 星私虎亮
手土産は濃竜胆なり束にして 磯沼チヨ
さやけしや遠野の風を頬に受け 川越 研
去り難き清心尼墓地梅もどき 髙田美津子
白風や手斧削りの梁の土間 岩村多加雄
曲り家に吊もの多し秋の午後 野村英利
ふつと湧く風の遠野や秋桜 小泉靜子
つるべ井戸覗けば吾や曼殊沙華 中村静江
おしら堂へ軋む床板昼の虫 髙田栄子
座して聴く風のさやぎも秋の声 畑内節子
稲刈や農夫の姿見えかくれ 赤坂洋子
民話聴き遠野の秋を深めけり 川越 研
天高し茅葺き屋根の伝承園 西浄さえ
奥の間にわらしの気配虫の闇 岩村多加雄
梅もどきの清心尼墓所秋の風 八木 仁
初秋や語りの訛母に似て 野村英利
秋日濃しかまど神置く伝承園 小泉靜子
遠く来て遠野の丘の薄紅葉 中村静江
清心尼の墓守るごとき秋の蜘蛛 佐藤霜魚
赤とんぼ草一本にとまり合ひ 星私虎亮
清心尼の墓は山負ひ野紺菊 畑内節子
選者特選
西浄さえ特選
身に入むや壁の四面をおしらさま 吉田千嘉子
座して聴く風のさやぎも秋の声 畑内節子
八木 仁特選
秋日濃し南部飛地の黄金波 畑内節子
去り難き清心尼墓地梅もどき 髙田美津子
南美智子特選
秋哀し昔語りのデンデラ野 西浄さえ
秋麗の山ふところや清心尼 小野寺和子
三野宮照枝特選
身に入むや壁の四面をおしらさま 吉田千嘉子
ふつと湧く風の遠野や秋桜 小泉靜子
中島英雄特選
法螺少し語る爺様秋日和 岩村多加雄
白風や手斧削りの梁の土間 岩村多加雄
一句高得点句
1位5点
身に入むや壁の四面をおしらさま 吉田千嘉子
ふつと湧く風の遠野や秋桜 小泉靜子
3位4点
遠野は秋辻に河童の捜索書 野村英利
去り難き清心尼墓地梅もどき 髙田美津子
座して聴く風のさやぎも秋の声 畑内節子
九月二十七日(2回目)
主宰特選句
ゆきあひの空へ蜻蛉やデンデラ野 佐藤霜魚
朝霧や民話の里をひと抱きに 畑内節子
佳作
せせらぎを遊んでをりぬ赤とんぼ 村田加寿子
遠野さやか翠微をなぞる雲の影 中島英雄
河童釣る許可証買うて秋うらら 野村英利
秋涼し買ひ忘れたる「捕獲許可」 三野宮照枝
姥捨ての謂れある野や草紅葉 川越 研
朝霧や遠野三山近く在り 岩村多加雄
朝露を踏みて登りしデンデラ野 磯沼チヨ
河童渕秋水乱す釣師たち 黒田長子
朝露や「あがりの家」の自在鉤 髙田栄子
デンデラ野は山に抱かれ秋あかね 赤坂洋子
姥捨ての哀史百年草の花 野村英利
ゆたかなる水車の里や銀杏の実 小泉靜子
言はれれば河童ゐそうよ水澄めり 川越 研
河童淵喚声もまた秋の声 岩村多加雄
がまずみの丘に半鐘深き錆 蛯名文子
爽籟や「あがりの家」に竈跡 佐藤霜魚
ひとりでは来れぬデンデラ野よ秋よ 村田加寿子
生きた音たつる水車や稲架日和 三野宮照枝
爽籟や水ゆるやかに河童淵 小野寺和子
いざ釣らん秋の一日を河童淵 小笠原イク子
早池峰や遠野盆地は秋の中 川越 研
選者特選
野村英利特選
生きた音たつる水車や稲架日和 三野宮照枝
早池峰や遠野盆地は秋の中 川越 研
小泉靜子特選
姥捨ての哀史百年草の花 野村英利
爽籟や「あがりの家」に竈跡 佐藤霜魚
岩村多加雄特選
良き音に働く水車鶏頭花 吉田千嘉子
河童渕秋水乱す釣師たち 黒田長子
黒田長子特選
姥捨ての謂れある野や草紅葉 川越 研
姥捨ての哀史百年草の花 野村英利
佐藤霜魚特選
遠野さやか翠微をなぞる雲の影 中島英雄
がまずみの丘に半鐘深き錆 蛯名文子
一句高得点句
1位5点
姥捨ての哀史百年草の花 野村英利
2位4点
朝霧や民話の里をひと抱きに 畑内節子
良き音に働く水車鶏頭花 吉田千嘉子
朝霧や遠野三山近く在り 岩村多加雄
爽籟や「あがりの家」に竈跡 佐藤霜魚
いざ釣らん秋の一日を河童淵 小笠原イク子
早池峰や遠野盆地は秋の中 川越 研